<日本放射光学会とは>
人類が光によって自然を認識し、理解を深めてきたことは、20世紀初頭における量子論、相対論の成立をはじめ、科学史の多くの事例が教えるところであります。20世紀後半に登場した電子加速器からの放射光を自然認識の手段として用いる自然科学の一分野、「放射光学」(Synchrotron
Radiation Research)は、光に関して今世紀、人類がなし遂げた科学・技術革新の一つであります。
放射光は赤外線からX線にわたる広大な波長領域において比類のない特長ある強力な光として、あらゆる物質の静的・動的構造、及び電子状態の解明において威力を発揮しています。放射光を使った研究の本格的発展が始まってから10年余に過ぎませんが、いまや放射光の発生から利用までを対象とする新しい学際的研究領域である放射光学は、広範な分野においてその地位を確立し、なお新しい研究分野も続々と開かれつつあります。
現在、我が国には、数ヶ所に放射光利用の研究施設があり、2.000人に及ぶ研究者が活動しております。さらには一層特色ある光を求めて、基礎研究用及び産業用施設の計画ないし建設が爆発的に進められております。この状況は諸外国においても全く同様であり、放射光の利用と施設の建設の機運は急速に広がりつつあります。
ここに放射光学の格段の発展をはかるため、研究の成果と動向に関する意見の交換、共通の学術的・技術的課題の解決、あるいは新分野の開拓を目指した迅速な内外の情報交換の場として日本放射光学会を設立するものであります。
会員には、正会員、学生会員、賛助会員、購読会員などがあります。学生会員はさまざまな特典を受けられます。賛助会員は、本会の目的に賛同して本会の事業を援助してくださる個人又は団体です。
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