◆コメント4


提出者:匿名

報告書案では「SPring-8 だけではキャパシティは足りず、PFは老朽化し、X-FEL では基盤設備にならないので先端的リング型光源の建設は必要である。そのために、「数年先」の建設開始を念頭に置き、ERL実現のための研究開発に早期に着手すべきである」としています。「数年先」とありますが、これから研究開発を行う状況では、「数年先」にめどがついたとして、さらに数年かけて建設することになると、7から8年(悪くすると10年)くらいかかるのではないでしょうか。

東大リング建設計画が中止になったというVUV/SXの危機的状況を考えると、VUV/SXにとりましては少しのんびりしたイメージを与えかねないことを危惧します。VUV/SX(特にVUV)にとっては「キャパシティが足りない」のではなく、「高輝度の第3世代リングが全く無い」という絶望的な状況が10年近く続き、諸外国に取り残されていくという状況を憂える強い表現が望まれます。

したがって、我が国の放射光科学のあり方について述べる時には、「特に、紫外線・軟X線領域では、東京大学が計画していた紫外軟X線高輝度光源の建設を財政的な問題から中止した現状があり、紫外線・軟X線領域の高輝度ビームライン建設などは緊急の課題である。中期的には、….」などという文を追加していただけると幸いです。